厚真町・栗山町の「教育」の今!二町合同のオンラインイベントが開催

厚真町・栗山町教育の今

10月29日(土)、厚真町と栗山町の「教育」をテーマにしたオンラインイベントが開催され、約18名もの方が参加しました。

各町で教育を軸に活躍するお二人を招き、対談!厚真町、栗山町では、今どんな「教育」のカタチがあるのでしょうか?イベントの内容をまとめてご紹介します。

◯概要
厚真町教育魅力化支援員の加藤さんと栗山町NPO法人雨煙別学校職員の西脇さんをゲストに招き、オンラインの対談形式でリアルなトークを展開します。ファシリテーターは株式会社とける代表柴田が担当。

◯登壇者紹介
■厚真町 加藤 千昇(かとう ちしょう)
埼玉県出身。東京での社会人経験を経て、2021年8月、厚真町地域おこし協力隊の教育魅力化支援員として厚真町に移住。「厚真町で最高の高校生活を」というスローガンを掲げ、公営塾「よりみち学舎」のスタッフとして生徒と地域の対話の場作りや発信を行っている。2022年には移住生活をまとめたエッセイ集『生活の幽霊たち』を制作・販売。コアラのマーチ愛好家。

■栗山町 西脇 宏伸(にしわき ひろのぶ)
北海道札幌市出身。体育の先生を志し、北海道教育大学旭川校に進学。 大学生の頃ふくしまキッズに出会い、ボランティアスタッフとして参加。 北海道の大自然の中で、子ども達と長期キャンプをしていた事が人生の転機に。 大学卒業後、栗山町の地域おこし協力隊に就任し 自然体験(環境教育)を軸とした社会教育に携わる。 3年間の任期を終え、現在はNPO法人雨煙別学校の職員として活動中。 木育マイスター。

■ファシリテーター 柴田 涼平(しばた りょうへい)
株式会社とける代表取締役社長。
「あらゆる境界を融かし、未来が歓迎する環境を想像×創造する」を理念に、コミュニティ事業、伴走事業、メディア事業を行う。

栗山町は、自然と歴史に触れる「環境教育」「ふるさと教育」が盛ん!

西脇さんが働く雨煙別小学校は北海道最古の木造二階建ての建物で、宿泊機能もついており、小中学校の宿泊学習や企業研修にも使われている施設です。

西脇さんは施設の運営と環境教育プログラムの企画運営のほか、子どもたちと自然遊びをしながら、ふるさと教育の事業を進めています。

最近は栗山にある資源を組み合わせたツアーを絶賛企画中だといいいます。

「栗山には日本の国蝶オオムラサキがいます。そのアオムシを保護調査するようなツアーや、栗山の歴史に触れられるツアーができないかと、今力を入れています」と西脇さん。子どもたちに五感を大切にしてほしい!という思いをカタチに取り組んでいるそう。

栗山で行われている「ふるさと教育」は、地域・学校・行政が連携して行うプログラムです。栗山の恵まれた自然を生かして、子どもたちが学校の授業内でも触れられる機会をつくっている。

参加者からも「雨煙別小学校に泊まってみたい!」「栗山の自然、気になる」とのコメントがいくつか上がっていました。

西脇さんからは「四季折々の生き物や自然に溢れる栗山。安心して入れる川や森があるので、いつでも見に来てください!」と参加者の皆さんを歓迎していました。

厚真町の高校の「生活」にフォーカスをあてて、輝かせたい!

加藤さんは教育魅力化支援員として厚真高校の「生活」を魅力的にすることをスローガンに掲げ、公営塾の運営や探求学習の企画をしています。

現在厚真高校に通う生徒は70名弱。「小さくてあたたかい」をテーマにもつ高校です。

2022年にオープンしたばかりの公営塾も、今や毎日10名ほどの生徒で溢れると言います。最初人見知りしていた学生も少しずつ心を開き、放課後の遊び場として使ってくれているそう。

「高校魅力化」という言葉は最近よく耳にするようになりましたが、厚真高校では3年間の時間(生活)をどれだけ魅力的にするかに重点を置いています。

「さまざまな大人と繋がりながら、「最高の寄り道体験」をモットーに進めています」と加藤さん。

「最高の寄り道体験って言葉いいですね!」ファシリテーターの柴田を含む、参加者の方もうんうんと頷いていました。

最近は「地域の人たちが授業をデザインするのもいいのでは?」ということで、授業の一環で総合的探求の時間を設けることに。

厚真に住んでいる人をインタビューして、厚真人カルタカードを作ることを企画しているそう。インタビューを通して、厚真に住む人がどんなふうに働き、過ごしているのか探れるのではないかと考えている。

「授業でインタビューの仕方、カルタのキャッチコピーの付け方を学びながら、インタビュー相手の良さを最大限引き出す方法は何かを考える。来週からインタビューも少しずつしていく予定です」と加藤さん。

参加者も「厚真人カルタやってみたい!」「学生時代に自分が住んでいる町の人をちゃんと知ることができるきっかけがあるって良いですね…」と自分の学生時代に思い馳せながらも楽しそう!という声が上がっていました。

【対談】二人の目に映る、教育の現場とは?

左:西脇さん 右:加藤さん

ーー二人が子どもたちと接する際に大切にしていることは?(柴田)

西脇:子どもの選択肢を増やしてあげる、残してあげることですね。自分たち大人が、選択肢を無くしてしまってはいけないと思ってます。

できるだけ子どもたちのリアクションに対して、答える。大人の都合で切ってしまわないようにしてますね。

加藤:自分は、「教育者」という立場にはいないようにしてます。できるだけ同じ立場、同じ目線に立ちながら接することを大事にしています。僕と生徒は、生徒と先生という関係ではないので、一人の人として、互いに意見、生き方も尊重する。対等な関係を保つことを心がけていたりします。

西脇:「教育」って言葉って何か子どもたちに施しているっていう意味が含まれているような気がしていて、ちょっとモヤモヤしていたんですが、加藤さんが「対等な立場」を大切にしているっておっしゃっていて、確かにそうだよなって納得していました。

ーー最近グッときたエピソードなどあれば教えてほしいです!(参加者)

西脇:この間、栗山のハサンベツ里山保全ボランティアに札幌の大学生が来てくれたんです。話をよくよく聞いてみると、その子は栗山で小さい時にハサンベツ里山で自然体験をしたことのある子だったんです。

「当時自分は、教えてもらいながら、楽しませてもらう側だった。けど、今度はこのハサンベツ里山を次の世代に残すのが自分の役割だと思って、恩返しするために今回来ました」って言ってくれたんです。

教育の役割はこういうところにつながっていくんだと思ってグッと来ましたね。

ーー加藤くんはどうですか?

加藤:厚真高校で体育祭があったんですけど、選抜リレー競技に自分も選手として出てみたくて、チームを組むために生徒に「一緒に出ないか?」って声かけてたんです。

直前だったこともあって断られてばっかりでしたけど、最後の最後に「面白そうだからやってみます」って入ってくれた生徒たちが、公営塾を始めてすぐに僕が楽器を教えてバンドを組んで活動していた子たちだったんです。

生徒たちが僕を挑戦の土壌に連れて行ってくれた瞬間でした。なんとなく関わっていた生徒たちの前へ踏み込む力が強くなったことを感じて、グッと来ましたね。

オンラインイベント参加者の感想

リアルタイムでも質問や感想が飛び交った今回のオンラインイベント。お二人の話を聞いて参加者はどんなことを思ったのでしょうか?

20代男性(札幌)

僕は北海道の広大な農村地帯が大好きです。そこで熱意をもって活動されてる方を知れるきっかけになりました。今後このようなイベントがあればどんどん参加したいです。

10代女性(札幌)

社会教育の大切さ。 学校教育の現場はどうしても大人主体で進んでしまいますが、社会教育だと色々なものにしばられずに教育を育むことが出来ることを知れました。学校教育での問題や不登校のニュースなどが話題となる中、教育の自由度が高まりこれからの日本社会は社会教育に力が入るのだと感じました。個々の特性に寄り添った教育は私も必要としていたので、興味が湧きました!

20代女性(函館)

教育といっても、公教育や他にも環境教育や塾などがあり、教育分野の幅はとても広いんだろうなと感じた。私も、登壇者の1人と同じように公教育には疑問を持っていて進路に悩んでいたので、もっといろんな教育分野で活動してる人を知りたいと思いました。

厚真町・栗山町の「教育」の今!イベントまとめ

厚真町・栗山町でそれぞれ教育を軸に活躍する二人。「教育」と言ってもいろんな方法がある。子どもたち、生徒たちを同じ目線で向き合いながらも、幅広く自由な教育のカタチを提案する二人のアツい姿に、参加者の学びも多かったことでしょう。

今後の二人の活躍、厚真町栗山町の両町の動きも楽しみになるイベントとなりました。

とけるでは「地方」「教育」「コミュニティ」などのイベントを開催しています。気になる方はPeatixページをフォローしてみてくださいね。